排泄補助関連用品
☆おむつカバー
吸水性・発散性の高い、肌触りの良い素材であることが大切です。施設等においては熱
処理のため耐熱性が要求される場合があります。内側は吸水性・透湿性の高い素材、中
央部は保水性・透湿性の高い素材、外側は透湿性・発散性の高い素材が要求されます。
オープン型は主に寝たきりの方用、パンツ型が歩ける方用、前開きパンツはベッドに座
れる方・立てる方用と症状や身体状況に合わせて使用します。
☆紙おむつ
この商品群については、蒸れと漏れが大きな問題となっている。床ずれ予防の観点から言えばできる限り使用は避けたい。
吸収量についても、メーカー毎に基準が異なるため数字だけで判断するのは危険であり、できればサンプル等を集めテストしてみると良くわかります。吸収スピード・ウォーターバックの有無を吸収量を替えてチェックしたい。
用途により種類も豊富にありますが、大別していくと以下のようになります。
寝たきりの方 テープ止めパンツタイプ・フラットタイプ(おむつカバー併用)
立てる方〜補助があれば歩ける方 ワイドベルトタイプ・パンツタイプ
歩ける方〜立てる方 パンツタイプ
失禁のあるすべての方 尿パッド
☆布おむつ
吸水性・保水性は高いが発散性がないので、腰や背中がいつまでも濡れていることが発生しやすく、床ずれを誘発する要因になることがある。
しかしながら、紙おむつの焼却によるダイオキシン・環境ホルモン問題等から、見直される動きも出始めている。
☆ トイレ用品
〇自力でトイレを
排泄行為については、誰もができる限り自分で行いたいと思っています。福祉用具だけではなく、トイレ内を整備することまでを考慮して支援したいものです。
排泄行為を楽にしてくるのは洋式便器です。最近は、温水温風洗浄便座(ウォシュレット)や暖房便座が普及し求めやすくなってきたので、不便さの解消のためにも導入を検討したいものです。工事なしの簡単な方法としては洋風便座の設置が考えられます。洋風便座には、段付き和式トイレ用と段なし和式トイレ用があります。
トイレへの出入り時、立ち座り時の困難さを解消し、動作を楽にしてくれるのが手すりです。有効な位置への取り付けがポイントになります。
便座の高さに気を配ることによって、自力での動作が楽になる場合もあります。補高便座が便利です。立ち上がりやすい高さに設定するため5cm・10cm・15cmと高さ別でサイズがあります。また、最近では簡易昇降便座が低価格になってきたこともあり、導入対象品になってきました。斜め方向に立ち上がるタイプ、垂直に上がるタイプがあります。
☆ ポータブルトイレ選定時のポイント
@
高さ
立ち上がりやすい高さであるか、または立ち上がりやすい高さに調整できるか。
A
安定性
移乗するとき倒れたり動いたりすることのない形状のもの、重さのあるものを選びたい。プラスティック製のもののほとんどは非常に軽く安定が悪いです。
B
けこみ
立ち上がるときに、足を十分に引き込めるスペース(けこみ)のあるものを選びたい。立ち上がり時の負担を軽減します。
☆ ポータブルトイレの種類
@
プラスティック製
もともと一時的使用の目的でつくられたものである経緯から、介護用としては高さが低かったり、けこみのないものが多い。介護用に開発された商品を選択したい。プラスティック製は安定性に欠けるため、別途安全手すりとのセットまたは、背もたれ・肘掛けつきのものを選びたい。
A
木製家具調
スペースを取り、重いのが短所であるが、高さ・安定性・けこみのすべてを満たす商品が多い。肘掛け調節・取り外し可能なもの、本体の高さ調節可能なものが殆どで、さまざまな症状にも対応しやすい。移乗動作も楽にできます。また、外見上ポータブルトイレに見えないことからも人気があります。
脳血管障害・片麻痺の方は絶対にこのタイプを使用してください。
B
四脚いす型
リウマチや股関節手術後の方や屈曲制限(90度以上深くしゃがんではいけない)を受けておられる方には、座面の高い四脚いす型が適しています。
但し、外国製(そのままの輸入品)のものは、便座のくりぬきが大きい場合があるので注意すること。
☆ 自動採尿器
ひとりで楽に扱え、寝たままでも座ったままでも使用できます。レシーバーを当てて、そのまま排尿するだけでセンサーがすぐに感知し、モーターが自動的に尿を吸収します。逆流の心配はありません。タンク容量は3リットルで一日使用できます。
☆安楽尿器DX
手を使って自分で当てることのできる方で、排泄した尿をすぐに処理できない場合に使用
します。男性用は常時失禁ユーザーのために装着バンドがあります。
☆尿 器
尿の色で症状を判断することがあるので、無色透明のものが良いとされています。ガラス製から塩ビ製に代わったことで割れるという欠点は解消されましたが、環境面からの問題は残っています。
☆差し込み便器
寝たきりの場合でも、尿意や便意を伝えることができる場合は、ベッドや布団上で使用します。ステンレス製のものは冷たいので避けましょう。また、飛び跳ねしにくい形状のものを選びましょう。
ゴム製便器を呼ばれるものも同様にお尻の下に差し込んで、ポンプで空気を送り腰を上げます。感触が柔らかいので好評です。自力でお尻を持ち上げることができず、介護者の力が弱い場合に有効です。
☆ 座位採尿器
尿や便を押し出す力は、膀胱や直腸自体の収縮と外から作用する腹圧の両方から生まれます。座位をとることにより、腹部の臓器が下垂し自然に腹圧が上がった状態になり、また膀胱と直腸の出口が真下を向き尿と便の重量が作用して自然に排泄される力が生まれます。排泄にとっては姿勢は大変重要な働きを持っています。
@
ブリッジ・ハンドパン
肥満の方や片麻痺・パーキンソン病等、座位が安定しない方に最適です。
A
ブリッジ・ユリナルズ
左右どちらかのお尻を上げられる方が股間に挿入して使用できます。
B
ブリッジ・サドルパン
身体になじみやすい曲線で挿入しやすく、高齢者や痩せすぎで骨が突出している方にも圧迫が少なく、安心して使用していただけます。
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