1.車いす

☆ モジュール車いす

車いすの各パーツ(モジュール)を自由に組み合わせて、より本人の障害の程度に適した車いすをその場で組み上げることが出来ます。使用目的や環境はもちろん、身体状況の変化にも対応可能です。オーダーメードよりも納期が早いのも特長。レンタルで対応し、状態変化に合わせていくのが最適と言えます。

   

☆ オーダーメード車いす

      身体障害者手帳取得者で車いすが必要と認められた人に、医学的な処方に基づいて車いすが交付されます。このとき、大抵の場合がオーダーメードですが、納期が1〜3ヶ月程度かかるため出来上がったら思ったとおりでなかったり、身体状況が変わっていて使用できないということもあります。

   

☆ 既製品車いす

      一般に流通している車いすで、標準型・介助型・リクライニング・片麻痺用等があります。

      肘掛け跳ね上げ式・エアーキャスター・背もたれ折りたたみ機能他、種類も豊富です。モジュールやオーダーメードに比べ、求めやすい価格とコンパクトさ、軽さが売り物です。

      一般的に既製品車いすは、自走式と介助型に大別されます。材質はスチール・アルミ・ステンレス・チタン等がありますが、アルミが主流になっています。

@     自走式車いす

後方大車輪にハンドリムが付いた自力で操作する車いすを言います。標準普及型(スチール製)は殆どが台湾製又は韓国製・中国製で、アルミは一部が台湾製・中国製で

す。軽量のもの幅の狭いものも増え種類も充実してきている。

A     介助型車いす

自分ではなく介護者に後ろから押して操作してもらう車いすです。本人の身体機能の他に介護者の状態や使用場面等も考慮して選びたい。安全のため必ず介助ブレーキは装備すること。軽量のもの、コンパクトなものが人気。家屋内、施設内では移乗しやすい肘掛け跳ね上げ式が便利です。

B     リクライニング車いす

寝たきりや重度障害の方、手術後療養の方など水平に寝かせる必要のある時に使用する車いすです。但し、座位を保持できない方の場合は対応策を考えておく必要があります。背もたれと足置きが水平になりベッドからの移乗も可能です。肘掛けは本人の身体状況によって上下するものが良いでしょう。

 

 

   

☆ 車いすの機能

@     介助ブレーキ

ドラム式、タックル式などがあるが坂道の走行や雨天時の走行を考慮するとドラム式が確実です。足踏み式は介護者にとって安心感があり有効。

A     バックレスト

背中を支える部分を言います。自動車に乗せたり、収納時のことを考えると折りたたみ式が便利です。但し、バックレスト取り外しのものは(最近は滅多にないが)非常に危険なため使用しないこと。

B     座シート(座高・座幅)

座りやすく立ち上がりやすい高さ(前座高38〜47cm)のものを選びたい。クッションを用いる場合があらかじめ考慮のこと。

座幅(38・40.42cm)は、使用者の体格に合わせます。自走式の場合は、操作時の脇の開きにも関係してくるので注意が必要です。

C     フットレスト

足を乗せる台のこと。座位姿勢に合わせて高さ・角度を調節します。立ち上がる事の出来る方の場合は、跳ね上げまたは着脱可能なものを選びたい。

D     キャスター

キャスター径5〜6インチのものは小回りが効き室内用にも使用しやすい。屋外用の場合、7インチのもの又はエアキャスターが段差を通過しやすい。

E     ハンドリム

自走時のバランスや握る力に合わせます。握る力が弱く滑りやすい場合、波形のもの、ゴムを巻きつけたタイプのものが良い。

F     ティッピングバー

キャスターを上げるときに足で踏むバーのこと。必ず試して操作性の確認を行う。

G     アームレスト

肘掛けのことを言います。移乗しやすさを考えるとアームレストは着脱・跳ね上げ・横開き式にしておきたい。アームレストに関しては既製品の場合、クッションを敷いたとき、肘の高さが低くなるという問題があります。

  

     車いす選定のポイント

@     利用者車いすに何を求めているか

目的および使用頻度は・自走式か介助型か・室外使用・室内使用・軽量なもの・

収納しやすいもの・耐久性のあるもの・操作しやすいもの・安全なもの

A     使用する利用者・介護者の状況を考慮する

姿勢保持・移動・移乗に対する身体機能能力に応じたものの選択。

介護者の身体状況・使用する道路の状況

☆ 電動三輪車

     長距離歩行の困難な方が手軽に利用でき免許も不要ですが、使用するに当たっては操作能力・状況認知判断能力が要求されるため慎重な導入が望ましいです。

○チェックポイント

 @ 登坂能力              最大15度あるか

 A 段差乗り越え           7cmの段差乗り越え能力があるか

 B ブレーキ              電磁ブレーキの効きがスムーズで制動距離が短いか

 C 低重心               乗り心地が良く、カーブでも安定性があるか

 D バッテリー             充電時間・充電方法・走行距離・走行時間

 E 故障がすくないこと        万一の場合に備えたアフター体制

 

☆ 車いす用品

○車いす用クッション

    床ずれ予防・痛みの除去・姿勢保持の目的で使用します。除圧効果だけを優先しないで通気性や姿勢保持にも気を配ることが大切です。

○低反発クッション

    モデラートクッション・ソフトナースが代表的で、優れた除圧効果プラス通気性・保持力を誇ります。但し、低反発クッションの特長として外気温が10℃以下では硬化するため寒冷地や冬の野外での使用には問題があるようです。

○キネリス

    従来の類似商品は、ゴム臭と座位姿勢が不安定になりやすいことが欠点でしたが、表面素材と独自のセル構造によりそれらの問題点を解消しています。症状や体型により、シングル・ダブル・高さの調節の選択をします。正しい空気圧に調整して使用しないと効果が得られないので注意が必要です。

○その他

  前方へのずり落ち防止のため、セーフティーベルトやワンウェイがあります。また、車いす上での失禁対策商品として、シートパッドがあります。

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